エンビジョニングの石崎です。
海外では一般的であった大学生のインターンシップは、近年、日本でも受け入れを行う企業が増えてきました。しかし、国内では日本人大学生のインターンシップ生を受け入れることはあっても、外国人の大学生を受け入れることには、抵抗を感じる方も多いかと思います。
言葉の壁、文化の壁、国民性の違い、受入れの際の手続きなど、さまざまな不安が出てきます。
今回はそもそも外国人を受け入れることが可能なのか、法的な面の不安を解消できる情報をお伝えしたいと思います。
在留資格(ビザ)が必須
外国人インターンシップ生を受け入れる際には、必ず在留資格(ビザ)が必要になります。
外国人インターンシップ生を受け入れる際の在留資格は複数ありますが、本記事では弊社で取り扱っている、インターンシップ生の在留資格に限定して紹介したいと思います。
在留資格「特定活動」
海外からインターンシップ生を受け入れる際は、この在留資格で申請することが一番多いです。この在留資格を認めてもらうための条件は以下になります。
- 海外の大学に在籍していること
- 教育課程の一部であること
- 1年を超えない期間で、通算して大学の修業年限の2分の1であること
- 大学と受入機関の間に契約があること
- 報酬が発生すること
大学に在籍していること
卒業して学位が授与される大学の教育課程に在籍している必要があります。学位が授与される教育課程であれば短期大学や大学院も認められます。また、日本入国時には18歳以上であることも必要です。
教育課程の一部であること
インターンシップは、期間を修了することで、単位として認定されることが必要です。
弊社で紹介する学生は、観光学や日本語学を専攻している学生ですので、基本的には専攻科目に沿った業務ができるように業務内容の配慮が必要となります。
必ずしもインターンシップで行う業務内容と大学での専攻科目が一致していなければならないわけではありませんが、教育課程の一部であることが要件とされていますので、注意が必要です。
また、大学生に求められる知識や教養の向上に資すると認められない、いわゆる単純作業のような業務を行うことは認められていません。
1年を超えない期間で、通算して大学の修業年限の2分の1であること
1回のインターンシップは1年を超えて行えません。さらに、通算して大学の修業年限の2分の1を超えないことが条件です。
大学と企業の間に契約があること
海外の大学とインターンシップ受け入れ企業との間で、インターンシップ生受け入れに関する契約を締結しなければなりません。契約書には以下のような内容を盛り込む必要があります。
- インターンシップの目的
- 大学での単位科目及び取得単位数
- インターンシップの期間
- 報酬及び支払い方法
- 控除費目及び控除額
- 保険内容及び負担者
- 旅費負担者
- 大学に対する報告
- 契約の解除
- インターンシップの実施計画(インターンシップの目標/受入れ、指導体制/評価方法)
報酬の支払い
インターンシップ生に対して、受け入れ企業から報酬を支払う必要があります。労働関係法令が適用されるため、最低賃金以上の報酬を支払わなければなりません。
書類作成の注意点
2020年からガイドラインが作成されたため、在留資格申請の際には下記に関する説明書の提出が求められます。
- 責任者を選任していること
- 指導員(インターンシップ生が従事する業務に1年以上の経験)を選任していること
- 外国人の受け入れに対して人権を著しく侵害する行為を行っていないこと
- 過去5年以内に入管法または労働法に違反していないこと
- 外国の大学との間の契約に反する内容をインターンシップ生と取り決めていないこと
- 国内外の費用をインターンシップ生に明示し、負担者や金額について合意していること
- 入管から実地調査が行われる場合は協力すること
- インターンシップに関する報告書を作成し、最低3年間保存すること など
かなり細かい部分まで求められますので、上記の項目を事前に確認をした上で、受け入れ体制を整えなければなりません。
まとめ
ここまで、外国人インターンシップ生受け入れに関する在留資格について解説してきました。本記事から、適切な在留資格の選び方や申請要件などが整理できたのではないでしょうか。
近年は受け入れ体制の整備が求められ、申請における提出書類が増え、細かい規定も増えました。在留資格を円滑に取得するためには、申請時の書類作成も重要になってきます。
エンビジョニングでは、インターンシップ生の適切な受け入れを実現させるために、しっかりとした受け入れ体制が構築できるようにご支援しております。外国人インターンシップ生の受け入れに関するご相談がありましたら、エンビジョニングにご連絡ください。